『パトリオット・デイ』
いい加減、真面目に映画の感想を書きます。
先日、ボストンマラソン爆弾テロ事件を題材にしたノンフィクション映画『パトリオット・デイ』を観てきました。
これがまあ、素晴らしい映画で。
この事件についてはニュースで知った程度で、事件解決まであれほど壮絶な事があったのには驚きでした。
『アルゴ』や『ハドソン川の奇跡』など、向こうのノンフィクション映画のクオリティは本当に凄いと感じるばかりです。
しかも「監督:ピーター・バーグ」「主演:マーク・ウォールバーグ」
この2人がタッグを組んだノンフィクション映画は3作あります。
・『ローン・サバイバー』
・『バーニング・オーシャン』
・『パトリオット・デイ』
これらを全て鑑賞したのですが、どれも名作なんですよね。
この2人が組んだ作品にハズレはありません。
今回の『パトリオット・デイ』は個人的に1番好きです。
出演は「大きな事件に巻き込まれる役」が似合うマーク・ウォールバーグ。
共演者にケヴィン・ベーコン、ジョン・グッドマン、J・K・シモンズなど・・・・・・。
もうね、最高の配役ですよ。
実力派の渋い人たちが揃ってて。
「この人の出てる映画にハズレはない!」っていう役者が大勢出てるもんだから。
実話がベースなので、話は淡々と進んでいきます。
ですがそれなりに広く浅く、人間ドラマを描いているうえに、迫力と緊迫感がこれでもか、と伝わってくるので退屈なんてしません。
爆発の瞬間、そして銃撃戦も容赦なく描写しております。
ちゃんとテロップも出てくるのでわかりやすく、どこか『シン・ゴジラ』みたいな雰囲気の映画でした。
というか演出的に、共通点も多い気がする。
何となく、ですが。
『シン・ゴジラ』が好きな人はこの映画も好きになれるんじゃないかと。
登場人物も全員、カッコイイです(犯人以外)。
「脇役かな?モブかな?」とか思ってた人が、とてつもない勇敢な行動をしますし。
いや、マジでかっこよかった。
もう、ボストン市民全員がカッコイイ。
名も無き市民は物凄い銃撃戦に出くわし、彼は少しコミカルな行動を取ります。
ちょっと笑ったんですが、それでも彼なりに協力したんだろうなあ・・・・・・と。
また、ある警官は、爆弾テロで亡くなった子供の遺体を見張る仕事を任されます。
遺体は現場検証のため、動かすことを禁じられているからです。
子供の遺体の傍にずっと立ってるのは、本当に辛そう。
ようやく遺体を運ぶことが許可されるんですが、その時の警官の行動がもうね・・・・・・。
こんな感じで登場人物が多いんですが、全員にちゃんと物語があって、伏線を回収しているので、「登場人物が多すぎて、誰が誰だかわからない」って感じにはなりません。
お見事。
ただ、主人公の刑事、トミーには違和感を感じまして。
彼はなぜかいつも、事件が大きく動く現場にタイミング良く現れるんですよ。
いや、主人公だから当然といえば当然なのですが、これはノンフィクション映画なのであって。
いくらなんでも都合が良すぎる。
さすがに脚色なのかな?と思っていましたが、その答えはパンフレットに書いてありました。
↑『パトリオット・デイ』のパンフレット。
「あの事件に関わった複数の警官をモデルにし、それを合成したキャラクター」が、今作の主人公だそうで。
なるほど、これは新しい。
「モデルとなった複数の警官を1人1人登場させる時間は無かった」という。
主人公であり、狂言回しの役回りでもある架空の人物、トミーを作ったことによって、ずっとわかりやすい映画になったのではないかと。
したがって主人公の優しい奥さんも架空の人物なわけで。
ただ彼女もまた、その複数の警官の家族を合成した人物なんだろうなあ、と。
事件に居合わせた、そして事件解決に努力した人たちを支えた家族を合成したキャラクターが、この奥さんなのでしょう。
勇気をもらえて、感動も出来る良作でした。
そしてアメリカでは既にブルーレイが発売されてるという・・・・・・。
早く日本でも発売しないかな。
マーク・ウォールバーグの吹き替えはもちろん、咲野俊介さんでお願いしたいです。
それにしてもネタバレ無しで感想を書くのって、難しいですね。
今回のはノンフィクション映画なので、ネタバレも何もないかもしれませんが、感動的な演出は自分の目で確かめて欲しいのです。
ぜひ、映画館で観てください。